■n角の穴をあけるドリル(その43)

 (その32)において,ルーローはその著書「Theoretische Kinematik」(理論機械運動学,1875)の中で,円弧五角形を用いて正方形の穴をあける工夫をしていること,順回転だけでなく逆回転の場合も図示されていて,四角い穴をあけることよりもエンジンのカムの設計などへの応用を考えていたものと推測されることを述べた.

 それとは異なるが,フルヴィッツ・藤原の曲線五角形を用いても概正方形の穴をあけることができる.(その31)で紹介した3サイクルロータリーエンジンのn=4,5,6版で,それぞれ概二,三,四角の穴となる.(その19)に掲げたnサイクルロータリーエンジンの場合に比べて,辺縁が直線化されていることに気づいて頂きたい.

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【1】4サイクルロータリーエンジン(概二角の穴)

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【2】5サイクルロータリーエンジン(概三角の穴)

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【3】6サイクルロータリーエンジン(概四角の穴)

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