■整数のレンガ問題

 以前,「最近まで「整数のレンガ」問題には解があるともわかっていませんでしたし,問題を解くこと自体が不可能だとも証明されていませんでした.すなわち,この問題は最近まで未解決のディオファントス問題のうち,最も難しく悪名の高いものになっていましたが,1972年,スポーンが空間対角線も整数になるものは存在しないことを証明しました.さらに,2000年,ルーティは頂点間の距離がどれも整数になるような直方体は存在しないことを証明しました.数百年解かれず残っていた問題をやっと証明したのです.」

と書いたのですが,それは間違いであって,まだ答えは見つかっていないようです.

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【1】整数のレンガ問題

 各辺と空間対角線が自然数になる直方体a^2+b^2+c^2=d^2は恒等式

a=k(l^2+m^2−n^2)/n,b=2kl,c=2km,d=k(l^2+m^2+n^2)/n

で与えられます.ただし,nはl^2+m^2の約数でn<√(l^2+m^2)でなければなりません.一つの文字だけの恒等式

  n^2(n+1)^2+n^2+(n+1)^2=(n^2+n+1)^2

によっても無数に解が求まります.

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 その次に問題になるのは,すべての辺と空間対角線と各面の対角線が自然数で表されるような直方体が存在するかどうかということです.このレンガには7つの未知数があります.

  a^2+b^2=d^2

  a^2+c^2=e^2

  a^2+b^2=f^2

  a^2+b^2+c^2=g^2

 空間対角線だけが整数でない最小のレンガはオイラーによって辺が44,117,240のものであることが示されています.

 a=240,b=44,c=117,d=244,e=267,f=125,

 g=270.60118

[注]1719年にドイツ人会計士ハルケが見つけたともいわれている.

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【2】完全平行六面体

 一方,2004年,ソーヤーとライターは(完全直方体でなく)面が平行四辺形の完全平行六面体が存在することを証明しました.

  辺の長さ:271,106,103

  面対角線(短):101,266,255

  面対角線(長):183,312,323

  体対角線:374,300,278,272

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【3】コンピュータ探索

 2012の時点で,一番長い辺が10^18以下の完全直方体は存在しないことが確かめられているそうです.

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