■アルキメデスの問題(その6)

 放物線に関するアルキメデスの求積法は,高木関数(いたるところで微分不可能な連続曲線)とも関係している.アルキメデスの求積法では,放物線を三角形でサンドイッチする操作を繰り返す.高木関数も三角形の重ね合わせであるというわけである.

 アルキメデスの求積法も高木関数も,高木貞治「解析概論」に記述があるのであるが,このような形で関連づけられるとはなかなか予想できなかった.

 ただ,アルキメデスの意図したことは

  同じ底辺と高さをもつ正方形と三角形の面積比は1/2である.

  同じ底辺と高さをもつ正方形と放物線の面積比は2/3である.

  同じ底面と高さをもつ円柱と円錐の体積比は1/3である.

  同じ底面と高さをもつ円柱と回転放物体の体積比は1/2である.

  球の体積が球に接する円柱の体積の2/3になる.

  球の表面積は,球に接する円柱の表面積と等しくなる.

であったと思われるので,前述の内容をもって直ちにギリシャ数学との関連性の比較を論じることはできないのであるが,・・・

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