■4次元図形の展開図

 点(0次元)を1つの方向に1単位だけ動かすと線分(1次元)ができる.この線分を自分と垂直方向に1単位だけ動かすと正方形(2次元)ができる.正方形を自分と垂直方向に1単位だけ動かすと立方体(3次元)ができる.ここまではいいだろう.

 この過程をもう一度繰り返す.すなわち,立方体を自分と垂直方向に1単位だけ動かすと超立方体(4次元)ができる.この図形は正8胞体とも呼ばれる16個の頂点と32個の辺をもつ.

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 立方体には11通りの展開図があるが,その代表がラテン十字である.多角形の外周を接着して多面体が閉じるための条件はアレクサンドロフの定理で与えられるが,ラテン十字はその外周を接着させると5通りの多面体ができることで知られている.

 4次元立方体に対しても同様に展開図を描くと,8個の立方体が面で連結された3次元ラテン十字ができるが,ダリの有名な作品「超立方体的身体」の磔にされたキリスト像を知っている方も多かろう.

 ところで,15種類ある平行多面体の変身図形は,4次元図形の展開図とはちがって,辺をヒンジで連結させたものである.先日行われた形の科学会では,私の発表としては珍しく,評判のよいものであったことを申し添えておきたい.

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