■コンウェイのソファ問題(その7)

 円の伸開線,すなわち円に巻きつけた糸の一端の軌跡は

  x=a(cosθ+θsinθ),y=a(sinθ−θcosθ)

と表され,歯車の歯形として工学に応用されています.

 円(acosθ,asinθ)の接線方向は(sinθ,−cosθ)で,長さはaθですから,

  x=a(cosθ+θsinθ),y=a(sinθ−θcosθ)

で与えられるというわけです.

 さらに,円のインボリュートのインボリュートの接線方向は

  x’=a(−sinθ+sinθ+θcosθ),y’=a(cosθ−cosθ+θsinθ)

  x’=a(θcosθ),y’=a(θsinθ),x’^2+y’^2=(aθ)^2

より,(cosθ,sinθ)で,長さはaθですから,

  x=a(cosθ+θsinθ+θcosθ),y=a(sinθ−θcosθ+θsinθ)

となる(はず)です.

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 ガーバー型ソファが角を曲がるとき,その回転角αごとに何が起こるか見てみよう.

  r(α):ソファの外側の曲線の接線のなす傾きがαである点の曲率半径

  s(α):ソファの内側の曲線の接線のなす傾きがαである点の曲率半径

  u(α):接点の個数が2より大きいとき角度,すなわち,φより大きいとき定義される

[1]0°<α<2,2448°=φ 壁に接触しているのは2点のみ.r(α)=s(α)=1/2

[2]2°<α<39.0356°=θ

 壁に接触しているのは4点.r(α)=s(α)+u(90°−α)

[3]39°<α<45°

 壁に接触しているのは3点.r(α)=u(90°−α)

 また,[2][3]では

  u’(α)=−u(90°−α)−s(α)

が成り立つ.

 円のインボリュート,そのインボリュートもこの微分幾何的な条件を満たしていて,以上のことから,ガーバー型ソファは,ソファの外側が直線→半径1/2の円弧→円のインボリュート→円のインボリュート→そのインボリュート,ソファの内側が直線→半径1/2の円弧→円のインボリュート→そのインボリュート→円のインボリュートからなる区分的に連続曲線の組み合わせになることが計算されるのである.

 すでに述べたように,面積は2.2195でハマースレー型ソファを0.5%改善している.

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