■高校生が発見した幾何の定理(その2)

 高田の定理「円に内接する互角形の対角線から星形五角形を作る.星形五角形に含まれない三角形の外接円の交点が同一円周上にあるが,もう一つの外接円の交点も同一円周上にある.」は円だけではなく円錐曲線にまで拡張できるという.

 ポンスレーの定理も2つの円を2つの楕円に置き換えても成立する定理である.

 パスカルの定理(共線定理)とブリアンションの定理(共点定理)は双対定理(双子の定理)であって,円を楕円に置き換えても成立する.この2つの定理は150年以上のときを隔てて発見されたが,後に双対(正12面体と正20面体の関係)であることがわかったという.

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 ここでは,円を球面に置き換えるよく知られた定理を調べてみよう.

 同じ底辺と高さをもつ正方形と三角形の面積比は1/2である.

 同じ底辺と高さをもつ正方形と放物線の面積比は2/3である.

 同じ底面と高さをもつ円柱と円錐の体積比は1/3である.

 同じ底面と高さをもつ円柱と回転放物体の体積比は1/2である.

 アルキメデスは(積分法なしに)ひらめきによって,球の体積が球に接する円柱の体積の2/3になることを発見した.すなわち,

  πr^2・2r・2/3=4πr^3/3

 なお,球の表面積は,球に接する円柱の表面積と等しくなる.

  2πr・2r=4πr^2

ここで,円柱の上下の面も考えれば,球の表面積は球に接する円柱の表面積=2/3になるといってもよい.

  (4πr^2+2πr^2)・2/3=4πr^2

 さすがのアルキメデスもこの関係の単純さには驚いたに違いない.

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