■多面体巡礼の双対問題(その9)

 同じ大きさの正4面体2個を屋根瓦状に重ねた相貫体には,ケプラーの8角星(星形八面体)という名前がつけられています.この場合,外側に立方体,内側に正八面体ができます.今回のコラムでは互いに双対な正多面体同士,すなわち,立方体と正8面体,正12面体と正20面体の相貫体について紹介したいと思います.

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【1】互いに双対な正多面体の相貫体

 双対な2つのプラトン立体をそれぞれの辺が直角に2等分されるように配置します.立方体と正8面体の相貫体は,外側を菱形12面体(直交する対角線の比が1:√2の菱形12面)が,内側には立方8面体(正方形6面+正3角形8面)が入っています.また,正12面体と正20面体の相貫体では,外側を包む立体が菱形30面体(直交する対角線の比が黄金比になっている菱形30面),内側には12・20面体(正5角形12面+正3角形20面)という多面体が内包されているのです.

 すなわち,正多面体とその双対多面体との共通部分(intersection)は,それぞれ立方8面体(6・8面体)と12・20面体であり,また,それぞれ菱形12面体と菱形30面体に内接するというわけです.

 このことから,立方体と正八面体の1辺の長さの比は1:√2,正12面体と正20面体の1辺の長さの比は1:φになることがわかります.また,前者では立方体に貼り付ける外四角錐の底辺に対する二面角は54.7357°,後者では正12面体に貼り付ける外五角錐の底辺に対する二面角は37.3774°と計算されます.

 相貫体の見方を逆にして,正八面体に貼り付ける外三角錐の底辺に対する二面角も54.7357°,正20面体に貼り付ける外三角錐の底辺に対する二面角も37.3774°で同じです.底面や側面が違う形であるにも関わらず,底辺に対する二面角が等しいという調和が取れている・・・このことは決して自明のことではなく,双対関係にある正多面体同士のなせるワザといえるでしょう.

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