■置換多面体の空間充填性(その9)

 以下に述べる半立方体は,たとえすべての座標がわかっていたとしても超平面上には載らないので,(その8)の方法では空間充填性を判定できないことになる.

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【1】n次元の半立方体

 立方体は8頂点(±1,±1,±1)を結んでできる.3次元の立方体では8個の頂点をひとつおきにとると正四面体ができる.たとえば,その頂点は(1,1,1),(1,−1,−1),(−1,1,−1),(−1,−1,1)の合計4頂点である.

 ひとつの頂点からは(3,2)=3本のベクトルがでるが,(1,1,1)を中心として他の3頂点と結んだベクトルは(0,−2,−2),(−2,0,−2),(−2,−2,0)であり,互いに60°で交わる長さ2√2のベクトルとなる.

 正8胞体(4次元超立方体)は16頂点(±1,±1,±1,±1)を結んでできる.正8胞体の中心からひとつおきの頂点を結んだベクトルをとると,(1,1,1,1),(1,1,−1,−1),(1,−1,1,−1),(1,−1,−1,1),(−1,1,1,−1),(−1,1,−1,1),(−1,−1,1,1),(−1,−1,−1,−1)の合計8頂点が得られる.

 これらは4頂点(1,1,1,1),(1,1,−1,−1),(1,−1,1−,1),(1,−1,−1,1)と中心に対する対称な4頂点の合計8頂点であって,互いに直交する4本の軸上にあるから,正16胞体をなすことがわかる(4次元空間の特殊性).すなわち,3次元の立方体では8個の頂点をひとつおきにとると正四面体ができるが,4次元立方体では正16胞体(4次元の正八面体)ができることになる.ひとつの頂点からは(4,2)=6本のベクトルがでるが,互いに60°で交わる長さ2√2のベクトルとなる.

 3次元では正四面体,4次元では正16胞体になったが,5次元以上の空間では何になるのだろうか? 5次元正16房体は32頂点(±1,±1,±1,±1,±1)を結んでできる.5次元正16房体の中心からひとつおきの頂点を結んだベクトルをとると,(1,1,1,1,1),(1,1,1,−1,−1),(1,1,−1,1,−1),(1,1,−1,−1,1),(1,−1,1,1,−1),(1,−1,1,−1,1),(1,−1,−1,1,1),(−1,1,1,1,−1)(−1,1,1,−1,1)(−1,1,−1,1,1)(−1,−1,1,1,1),(1,−1,−1,−1,−1)(−1,1,−1,−1,−1),(−1,−1,1,−1,−1)(−1,−1,−1,1,−1),(−1,−1,−1,−1,1)の合計16頂点が得られる.

 (1,1,1,1,1)を中心として,他の頂点と結んだベクトルは(0,0,0,−2,−2),(0,0,−2,0,−2)などとなる.ひとつの頂点からは(5,2)=10本のベクトルがでるが,互いに60°で交わる長さ2√2のベクトルとなる.

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