■置換多面体の空間充填性(その4)

 1辺の長さ1の置換多面体の体積は

  V2=3√3/2

  V3=8√2

  V4=125√5/4

  V5=324√3

  V6=16807√7/8

  V7=65536

で,一般式は

  Vn=(n+1)^(n-1/2)/2^n/2

となる.まず,以前に求めた2通りの計算方法を示そう.

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【1】平行体分解

 平行体の体積は行列式(グラミアン)で与えられることから,ゾノトープの体積は平行体に分解して,平行体の体積がグラミアンで与えられることを用いればよい.ミンコフスキー和と呼ばれる平行2n面体分解法である.

 n次元置換多面体はm=n(n+1)/2組の平行なn次元ベクトル,

  V={v1,・・・,vm}

をもつ.したがって,これらの体積は線分のミンコフスキー和

  vol(V)=Σ|det(vi1,・・・,vin)|

で与えられる.すなわち,(m,n)個の項をもつこの公式は,複体を平行体(parallelepiped)に分解してそのミンコフスキー和ととることを意味している.

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【2】角錐分解と漸化式を組み合わせる方法

 最も素朴な計算方法である.n次元置換多面体の体積を求めるのに,n−1次元までの体積が既知として,漸化式を組み合わせることになる.

 底体積は漸化式から求められるので,あとは底面までの距離がわかればよいことになる.それには計算法の一工夫が必要になるが,そこがクリアされれば,積分も三角関数も使わないで求積することができる.(小生の手計算でもできることを確認した.)

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【3】まとめ

 2通りに計算することは家計簿つけのシーンに喩えられる.まず行ごとの合計を求めてそれを総計する.次に列ごとの合計を求めてそれを総計する.そして計算が正しければその2つの計算結果は一致するというわけである.

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