■ラングレーの問題(その4)

 ラングレーの問題『四角形ABCDにおいて,∠ABD=20°=a,∠DBC=60°=b,∠BCA=50°=c,∠ACD=30°=dのとき,∠ADB=eの大きさを求めよ.』

 この問題はラングレーが自ら創刊した雑誌「Mathematical Gazett」に提出したのが最初です(1922年,ただし出題形式は多少異なる).

 会え合われている角度をできるだけたくさん計算してもうまくいきません.4点ABCDは同一円周上にはないためe=30°は技巧的な補助線を発見しない限り求めることができないことから,初等幾何の難問として多くのファンに愛されて(?)います.

 補助線を引く方法は図を複雑にすることによって,解を求めることがはるかに簡単になるというパラドキシカルな問題といえるわけです.

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 出題形式は多少異なるものがあり,四角形でなく二等辺三角形において角度を求めるという形で知っている方も多いと思われますが,どちらも同じ問題になっています.種明かしをすれば,この問題は頂角が20°の二等辺三角形(底角80°)と関係していて,したがって,正18角形の対角線の交点と関係しています.

 正18角形を描いて対角線を引けば,この問題の図が現れるというわけですが,正18角形の対角線の交点数は1837(2重点1512個,3重点216個,4重点54個,5重点54個).n=18の場合は5重点が中心以外での多重度最大の交点で,6重点以上はnが30の倍数でないと出現しません.また,正18角形をすべての対角線で分断したときの断片数は2466にもなります.

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 この記事の読者であればおそらく誰でも一度は取り組み,誰もが一度は悩んだことがある問題と思われます.私は2通りの補助線の引き方を知っているのですが,正三角形や二等辺三角形,凧型などが唐突に出てくる証明に驚かされたことをいまでも鮮明に憶えています.

 答えは∠ADB=30°ですが,種明かしをすれば,この問題は頂角が20°の二等辺三角形と関係していて,したがって,正18角形の対角線の交点と関係しています.正18角形を描いて対角線を引けば,この問題の図が現れるというわけです(頂角20°の二等辺三角形を4個の二等辺三角形に分割する方法は11世紀のアラブの学者によって発見されていて,半径1の円に内接する1辺の長さxは3次方程式x^3+1=3xの解として求められます).

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