■円に内接するn角形の面積(その7)

 (その1)では余弦定理を用いたが,余弦定理よりもトレミーの定理

  「円に内接する四角形の相対する辺の長さの積の和=対角線の積

     AB・CD+AD・BC=AC・BD」

を活用した方が簡単かもしれないが,いまのところわからない.

 (その5)(その6)の議論をみると,交差する対角線は現れず,トレミーの定理のでる幕はなかったようである.

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 ここでは,六角形(もちろん,辺は等辺ではない一般の六角形)を扱ってみることにする.

  [参]のんびり数学研究会「ガロアに出会う」数学書房

では,5辺の長さをAB=a,BC=b,CD=c,DE=d,EA=aとした円弧AE上に,点Fをとり,EF=e,FA=fとおいている.BE=u.

 余弦定理より

  a^2={(e^2+f^2)au+(a^2+u^2)ef/(au+ef)

uについて整理すると

  u=a(a^2−e^2−f^2)/ef

 あとは,ブラーマグプタの公式

  S1=((s1−a)(s1−u)(s1−e)(s1−f))^1/2,s1=(a+u+e+f)/2

=1/4(((u+e)^2−(f−a)^2)((f+a)^2−(u−e)^2))^1/2

  S2=((s2−b)(s2−c)(s2−d)(s2−u))^1/2,s2=(b+c+d+u)/2

=1/4(((c+f)^2−(u−b)^2)((u+b)^2−(c−f)^2))^1/2

  S=S1+S2

を利用する.すると六角形の面積がa,b,c,d,e,fの代数式で表されるというプランが示されている.

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