■最小面数の正多面体元素定理(その10)

 -1,0,1だけで表される格子の模型で説明します。

 正四面体は(1,1,1),(-1,-1,1),(-1,1,-1),(1,-1,-1)にとります。そのとき、黄色い丸で頂点を示した三角錐(0,0,0),(0,0,1),(1,1,1),(1/3,-1/3,1/3)はそれの基本単体のひとつになります。

 次に(1,1,1),(-1,-1,1) ,(1,-1,-1)の正三角形を共有して、(1,-1,1)を重心とする正八面体を考えます。そのとき緑の丸で示した三角錐(1,-1,1),(1,1,1),0,0,1), (1/3,-1/3,1/3)はそれの基本単体のひとつになります。

 この二つの三角錐を合わせた三角錐(0,0,0),(0,0,1),(1,1,1),(1,-1,1)は青い丸で示せますが、それは立方体(1,1,1),(-1,1,1),(-1,-1,1),(1,-1,1), (1,1,-1),(-1,1,-1),(-1,-1,-1),(1,-1,-1)の基本単体のうち、(0,0,0),(0,0,1),(1,0,1),(1,1,1)と、(0,0,0),(0,0,1),(1,0,1),(1,-1,1)とを合わせたものになっているわけです。

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 同じ模型で平行多面体を描くと、

[1]斜六角柱は、(-2,0,-1),(-1,-1,-1),(0,-1,-1),(1,0,-1),(0,1,-1),(-1,1,-1),,(-1,0,0),(0,-1,0),(1,-1,0), (2,0,0) ,(1,1,0),(0,1,0),

[2]菱形12面体は(0,0,2),(2,0,0),(0,2,0),(-2,0,0),(0,-2,0),(0,0,-2)

[3]長菱形12面体は(0,0,2),(2,0,0),(0,2,0),(-2,0,0),(0,-2,0),(2,0,-4),(0,2,-4),(-2,0,-4),(0,-2,-4) (0,0,-6)

[4]切頂8面体の8分の1は、 (0,1,1),(-1,1,0),(-1,0,-1),(0,-1,-1),(1,-1,0),(1,0,1),(1,1,-1),(1,1,1),(1,1,-1),(1,-1,-1)

となる。   (中川宏)

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