■最小面数の正多面体元素定理

[Q]5種類ある正多面体の元素数はいくつになるだろうか?

[A]何種類かの凸多面体ピースを使ってすべての正多面体を作ることという問題では,実際に4種類の元素をα,β,γ,δとすると正四面体はα8,正20面体はβ24,正八面体はβ24γ24,立方体はα8β12γ12,正12面体はα8β12γ12δ12で構成されることを示すことができる.

 4種類の元素があればすべての正多面体を構成できる(十分条件)ことを示したあとは,どうしてもそれだけの元素が要るという必要条件を示すことによって,正多面体の元素数は4であるという結論が主張できる(証明略).

 α,β,γ,δは正多面体に共通する元素の実例であるが,その形はは一意には定まらない.

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[Q]正多面体の元素の総面数の最小数はいくつになるだろうか?

[A]各正多面体は基本単体と呼ばれる四面体(A,B,C,D,E)から構成される(A24,B48,C48,D120,E120).したがって,「自明な上限」すなわち元素の最小面数は20であるという上限が存在する.

 いわば上限付き幾何であるが,正四面体の元素Aと正八面体の元素Bを使って立方体を構成できることが示される.この段階で元素の最小面数は16まで引き下げられる.

 これが最小面数の正多面体元素定理の答えであるが,確認のため,基本単体相互の入れ子構想を構成してみた.

[1]立方体の基本単体のなかに正八面体の基本単体を入れ込むことができるが,その逆も可能である.

[2]正20面体の基本単体のなかに正12面体の基本単体を入れ込むことができるが,その逆も可能である.

[3]正20面体の基本単体のなかに正八面体の基本単体,正八面体の基本単体のなかに正四面体の基本単体を入れ込むことができができる.逆は不可.

 これらのことから,4ピースの元素(a,b,c,d)で5種類の正多面体を作れるものが構成できた.

  正四面体a24,正八面体b48,立方体a24b24

  正20面体a120c120,正12面体a120b120c120d120

 ここでa,b,cは四面体であるが,dは五面体であって,元素の総面数は17になる.これでは5次方程式の解の公式を得ようとしたら6次方程式に帰着してしまったようなものである.

 これは「自明な上限」を考慮すると,各正多面体は高々2個に分解されるが,正12面体の基本単体から正20面体の基本単体を切り取ろうとすると,どうしても一方は5面体になってしまうためである.かくして,元素の構成面数はこれ以上減らせないことが証明できたというわけである.

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