■正5角形・正7角形とトレミーの定理(その3)

 1辺の長さが1の正多角形を考える.正三角形は対角線をもたないが,正六角形には長さ√3と2の2種類の対角線がある.対角線の長さが1種類なのは正方形の√2と正五角形の(1+√5)/2に限られる(もうひとつの正方形と正五角形の特殊性).√2とφ=(1+√5)/2は1辺と対角線の長さの比である特別な値であって,それぞれ白銀比,黄金比と呼ばれている.

 ここでは,トレミーの定理

  「円に内接する四角形の相対する辺の長さの積の和=対角線の積

     AB・CD+AD・BC=AC・BD」

を活用して,正5角形・正7角形の対角線の長さを求めてみたい.

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【1】正5角形の対角線

 1辺の長さが1の正5角形とその外接円を考える.四角形ABCDにトレミーの定理を用いると,

  1・1+1・x=x・x

→x=(1+√5)/2=φ

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【2】正7角形の対角線

 1辺の長さがaの正7角形の2種類ある対角線の長さをb,cとする.このとき

  1/a=1/b+1/c

が成り立つ.

(証)四角形ABCEにトレミーの定理を用いると,

  ab+ac=bc

 両辺をabcで割ると

  1/a=1/b+1/c

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