■単純リー環を使った面数数え上げ(その107)

 角錐分解公式は

  vol(P)=ΣNjhj/n・Vn-1(j)

で与えられる.

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【1】置換多面体の場合

 4次の角錐分解公式

  V4=(N0V3H0+N1V2H1+N2V2H2+N3V3H3)/4

=125√5/4

であるが,

5次の角錐分解公式=27+567√3/2<324√3

6次の角錐分解公式=7√7/24(5877+428√3)<16807√7/8

 次元が大きくなるほど差は開いていくようだ.

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【2】正軸体版の場合

 4次の角錐分解公式

  Λ4=(N0Λ3H0+N1Λ2H1+N2V2H2+N3V3H3)/4

=262+184√2

であるが,

5次の角錐分解公式=2462+128√(2/5)+1712√2+136√3+512/√5+124√6

<4106+3128√2

6次の角錐分解公式=7/240(660825+442255√2+43620√3+7168√5+26820√6+10752√10)

<91236+57172√2

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【3】雑感

 体積問題に挑戦したが,あえなく敗退.角錐分解公式自体に誤りがありそうである.ひとまず撤退するが,いつの日にか瓢箪から駒のようにアイデアが飛び出すかもしれない.

 瓢箪から駒は実際にあり得るが,多くはない.

  フェルマーの落書き→フェルマー予想(360年後,解決)

  ジョン・ナッシュの証明の誤り→二十年後,解決

  山辺の予想(本人は証明したつもりだったが,彼の死後,証明に誤りが発見された)→現在も未解決の様だ.

 瓢箪から駒は数学史の本のネタとして面白いから有名になるが,あんまりないと思う.  (阪本ひろむ)

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