■フェルマー・カタラン方程式

  x^a+y^b=z^c,1/a+1/b+1/c<1

の解は以下の10個しか知られていない.

[1]1+2^3=3^2

[2]2^5+7^2=3^4

[3]7^3+13^2=2^9

[4]2^7+17^3=71^2

[5]3^5+11^4=122^2

[6]17^7+76271^3=21063928^2

[7]1414^3+221359^2=65^7

[8]9262^3+15312283^2=113^7

[9]43^8+96222^3=30042907^2

[10]33^8+1549034^2=15613^3

 フェルマー・カタラン方程式(x,y,z)には,公約数をもたない整数解は有限個しかない.1997年にダルモンとメレルがc=3で,a≧3,b≧3であれば,解は存在しないことを証明した.

===================================

【1】イェスマノヴィッツ予想

 (a,b,c)をピタゴラス数で,a^2+b^2=c^2を満たすものとする.このとき,

  a^x+b^y=c^z

を満たす正の整数組(x,y,z)は(2,2,2)のみである.

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 (a,b,c)=(3,4,5)の場合はシェルピンスキによって証明された(19955年).同年,イェスマノヴィッツがこの予想を提唱し,(a,b,c)=(5,12,13),(7,24,25),()9,40,41),(11,60,61)の場合を証明した.しかし、現時点では予想が一般に正しいかわかっていない.

 (a,b,c)をひとつ固定したとき,(x,y,z)が有限個しかないことはモーデル・ファルティングスの定理を使って証明できる.しかし,解が有限個あると解がひとつしかないの間には雲泥の差があるのである.

[補]アルティンの原始根予想,すなわち,aを原始根にもつ素数は無限個存在するという予想は,一般化されたリーマン予想を仮定すれば成立することがわかっている.また,アルティンの原始根予想の関数体版はすでに証明されている.

===================================

【2】おまけ(ブロカールの問題)

  4!+1=25=5^2

  5!+1=121=11^2

  7!+1=5041=71^2

 1を足して平方数になる階乗はほかに存在するだろうか?

 ラマヌジャンも1913年に独自に同じ問題を提起した.10億までの数の階乗についてはコンピュータを使ってこれ以上解は存在しないことが示されている.

===================================