■3辺の長さの平方が等差数列をなす三角形(その4)

[Q]3辺の長さx,y,zが整数でかつ長さの平方x^2,y^2,z^2が等差数列をなす三角形は?

は10世紀のペルシャ人数学者にちなんでアル・カラジーの問題と呼ばれる.たとえば,1=1^2,25=5^2,49=7^2は公差24をもつ.31^2,41^2,49^2は公差720をもつ.

[Q]3辺の長さx,y,zが有理数でかつ長さの平方x^2,y^2,z^2が等差数列をなす三角形は?

という問題は

[Q]3辺の長さx,y,zが有理数でかつ面積xy/2が整数となる直角三角形は?

と同等な形に言い換えることができる.

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【1】合同数の話

 整数面積となりうる整数を(多少紛らわしいが)合同数という.1,2,3,4は合同数でないが,5,6,7は合同数である.

 エジプト三角形(3,4,5)の面積は6なので,6は合同数である.(24/5)^2,(35/12)^2,(337/13)^2は公差7をもつので,7は合同数である.(31/12)^2,(41/12)^2,(49/12)^2は公差5をもつので,5は合同数である.

 31^2,41^2,49^2は公差720をもつので,12^2で割る.あるいは,三角形(9,40,41)は面積180なので,この面積を36=6^2で割ると(3/2,20/3,41/6),面積5の三角形が得られる.

 y^2=x^3−d^2x=x(x−d)(x+d)

が整数解(x,y)をもつのはdが合同数である場合に限られる.

 x,x−d,x+dがろもに平方数であれば,x^3−d^2xも平方数であるから,yは有理解をもつ.逆に,x,yがこの3次方程式を満たすならば,

 a=(x^2−d^2)/y,b=2dx/y,c=(x^2+d^2)/y

は,a^2+b^2=c^2とab/2=dを満たす.

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【2】合同数の判定アルゴリズム

 1983年に発見されたタンネル(タネル?)の判定法では,その整数を平方数の2種類の組み合わせとして,それぞれ何通りあるかを数えることによって合同数かどうかを判定する.

 この判定法の問題点は正しいことが証明されていないことである.その正否はBDS予想の正否に負っているのである.

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[1]奇数の無平方数dが合同数であるのは,

  2x^2+y^2+8z^2=d

の整数解(正でも負でもよい)の個数が

  2x^2+y^2+32z^2=d

の整数解の個数の2倍になる場合に限られる.

(d=1)第1の方程式の2つの解(0,±1,0)

     第2の方程式の2つの解(0,±1,0)→NG

(d=3)第1の方程式の4つの解(±1,±1,0)

     第2の方程式の4つの解(±1,±1,0)→NG

(d=5)第1の方程式は解をもたない

     第2の方程式も解をもたない→OK

(d=7)第1の方程式は解をもたない

     第2の方程式も解をもたない→OK

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[2]偶数の無平方数dが合同数であるのは,

  8x^2+2y^2+16z^2=d

の整数解(正でも負でもよい)の個数が

  8x^2+2y^2+64z^2=d

の整数解の個数の2倍になる場合に限られる.

(d=2)第1の方程式の2つの解(0,±1,0)

     第2の方程式の2つの解(0,±1,0)→NG

(d=4)d=2^2より,NG(合同数ではない)

(d=6)第1の方程式は解をもたない

     第2の方程式も解をもたない→OK

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