■フォン・ノイマンが間違えた問題(その3)

 無限級数が現れる問題に「多重反射」の問題がある.

 薄いガラス板があって,それに光があたると一部は透過し一部は反射される.2枚のガラス板が平行に置かれている場合,第1のガラス板で一部は透過し一部は反射される.透過した光は,第2のガラス板で一部は透過し一部は反射される.反射された光は,第1のガラス板に戻って一部は透過し一部は反射される.そこで反射された光は再び第2のガラス板に戻ることになる.

 光の強度をI0,透過率をt,反射率をr(t+r)=1とすると,

[1]反射した光の強度は

  rI0+rt^2I0+r^3t^2I0+r^5t^2I0+r^7t^2I0+・・・

=rI0+rt^2I0{1+r^2+r^4+r^6+・・・}

=rI0+rt^2I0/(1−r^2)

=2rI0/(1+r)

[2]透過した光の強度は

  t^2I0+r^2t^2I0+r^4t^2I0+r^6t^2I0+r^8t^2I0+・・・

=t^2I0{1+r^2+r^4+r^6+・・・}

=t^2I0/(1−r^2)

=(1−r)I0/(1+r)

 結局,2枚のガラス板全体としての反射率,透過率はそれぞれ

  R=2r/(1+r)

  T=(1−r)/(1+r)

 それでは,n枚のガラス板全体としての反射率,透過率はどうなるだろうか?

挑戦されたい.

(答)

  R=nr/(nr+t)

  T=t/(nr+t)

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