■学会見聞録(京都)

 立方体の頂点の数は8,辺の数は12,面の数は6である.これは実物がなくても頭の中だけで数え上げられる.しかし,準正多面体になるとそう簡単にいかなくなる.試しに,切頂20面体(サッカーボール)の場合についてやってみてほしい.

 高次元の場合も正多胞体であれば簡単に計算することができるが,準正多胞体ともなると匙を投げたくなるだろう.

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 先週,京都大学数理解析研究所で行われた「タイル張り力学系とその周辺」の研究会で,

  space filling semi-regular polytopes and their Wythoff arithmetic

を講演.

 そこでは計量的な方法や多面体的組み合わせ論の方法を用いて,準正多胞体の諸量の計算結果について発表したところ,参席のムーディー先生からいろいろなサジェスチョンを賜った.コクセターが整理した群論的な方法を使って,計量を行うことができるのでは?というものであった.

 これに対しては「ワイソフ算術」を使えばf0,f1,fn-1の計量は容易に可能となることを申し添えておきたい.これで危うく忘れ去られるところだった石井源久さんの博士論文の復権が果たせそうだ.

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