■ある関数等式について(その2)

【1】ラマヌジャンが編み出した数学上の技巧

 2次方程式:ax^2+bx+c=0の解の公式は次式で与えられる.

  x=(−b±√(b^2−4ac))/2a

 根号の中の式を平方数の差とみれば2項に因数分解することができ,以下のようにも表現できる.

  x=m2/2m1±{(m2+2√m1m3)(m2−2√m1m3)}^1/2/2m1

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 ラマヌジャンは中学時代に根号の中の式を書き換えて

  a(a+2)=a√(a+2)^2=a√(1+(a+1)(a+3))

 =a√(1+(a+1)√(1+(a+2)(a+3))=・・・

を発見した.ここでa=1とすると求める値が3であることがわかる.

 ラマヌジャンはさらにより一般的な恒等式

  x+n+a=√(ax+(n+a)^2+x√(a(n+x)+(n+a)^2+(x+n)√・・・)))

を発見している.

 ラマヌジャンのクイズは,ここでx=2,n=1,a=0とした場合である.

  √(1+2√(1+3√(1+4√(1+・・・))))=3

 また,x=2,n=1,a=1とすると

  √(6+2√(7+3√(8+4√(9+・・・))))=4

になることがわかる.

  [参]平松豊一「初等数学アラベスク」牧野書店

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