■スターリングの公式の変種

 階乗n!の近似値を与える公式として有名なスターリングの公式があります.

  Γ(n+1)=n!〜√(2πn)n^n xp(−n)

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【1】スターリングの公式の誘導

 スターリングの公式を誘導してみましょう.

  logn!=log1+log2+・・・+logn=Σlogx

ここで,y=logxのグラフを幅が1の長方形に分割していくと,xが十分大きければ相対的に和の間隔が小さくなるので,和は積分に置き換えられます.

  Σlogx≒∫(1,x)logtdt

 logxの原始関数は置換積分よりxlogx−x+Cと計算されますから,右辺はxlogx−x+1となります.したがって,

  n!≒en^nexp(−n)

が得られます.

  logn!=nlogn−n+o(n)

   ただし,limo(n)/n=0

としても大体了解されますが,もっと正確に近似すると

  ∫(0,n)logtdt<logn!<∫(1,n+1)logtdt

より

  nlogn−n<logn!<(n+1)log(n+1)−n

 したがって,両辺の相加平均に近い

  (n+1/2)logn−nでlogn!

を近似できることになり,

  ∫(1,x)logtdt

 =log1+log2+・・・+logx−1/2logx+δ

であること,また,ウォリスの公式:

  √π〜(n!)^2 2^2n/(2n)!√n

より,結局,

  n!〜√(2πn)n^nexp(−n)

にたどりつきます.

 スターリングの近似公式は階乗の一般化であるガンマ関数の近似値としても使われています.

  Γ(x+1)=∫exp(−t)t^xdt〜√(2πx)x^xexp(−x)

近似の程度を進めると

  Γ(x+1)〜√(2πx)x^xexp(−x)[1+1/(12x)+1/(288x^2)-139/(51840x^3)-.....}

が得られます.これらの公式ではxが大きくなるほど相対誤差は小さくなります.

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【2】スターリングの公式の変種

  (n+1/2)^n〜n^nexp(−1/2)

  Γ(n+1/2)〜√(2π)(n+1/2)^n xp(−n+1/2)〜n!/√n

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