■ヤング図形とフック長公式(その1)

 「オンライン整数列大辞典」

  http://oeis.org/

  online encyclopedia of integer sequences

というウェブサイトで,数列の最初の何項かを入力すると,知られている数列の中で入力した項をもつものを教えてくれる.

 そこで,

  {2,4,10,26,76}

を入力してみると,ヤング図形に関係していることがわかった.

 ヤング図形は対称式の計算に役立つだけでなく,「群の表現論」と呼ばれる分野でも用いられ,テンソル積の計算など非常に便利なものになっている.群の表現論は現在も活発に研究され進歩している分野である.

 ヤング図形やテンソル積についてはなじみが薄いが,少しずつ勉強してみることにした.たとえば,(41)のヤング図形は

  □□□□

  □

で表されるのだが,その標準盤の個数fを与えるフック長公式とは?

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 ヤング図形のi行j列に位置する箱□をdij,そのフック長をh(i,j)とする.フック長とは箱の右側にある箱数+下にある箱数+1(それ自身)である.

  ■□□□ → h(1,1)=5

  □

 

  □■□□ → h(1,2)=3

  □

  □□■□ → h(1,3)=2

  □

 

  □□□■ → h(1,4)=1

  □

  □□□□ → h(2,1)=1

  ■

 標準盤の個数fは

  f=n!/Πh(i,j)

で与えられる.(41)の場合,

  n=4+1 → n!=120

  Πh(i,j)=5・3・2・1・1=30

  f=n!/Πh(i,j)=4

であることがわかる.

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