■「紋様の科学」

 5角形タイリングの研究者,杉本晃久さんから

紋様の科学 (伏見康治コレクション (1)) [単行本]

伏見康治 (著), 江沢 洋 (その他)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4535603464/astmarumaru-22

という本を書店で見つけ購入したというメールを頂いた.

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[1]数学セミナーに伏見先生が連載されていた「紋様の科学」をまとめて単行本したもの

[2]6月10日頃に出版された

ようである.

 メールを頂くまで私はこの書籍の存在を知らなかったが,2−3日前に書店で見かけ購入.多面体関連の話は「紋様の科学」の中にはないのであるが,興味深い内容もあり,これを機に少しずつ読み進めようかと思っている.

 ところで,グラフは外見上違って見えたものが同一のグラフであったりする.たとえば,レンガ積み紋様は蜂の巣格子と同じグラフを表しているし,石垣や宅地造成地のまわりでは桧垣または網代と呼ばれる模様がでてくるが,これも蜂の巣格子と同じグラフを表している.

 この石積みの組み方は日本特有のものだそうである.本当は六角形の石を蜂の素性に組むのが力学的に安定した者になるが,長方形の石の方が作りやすいので,それを交互に斜めに積んでいくことによって丈夫な石垣になるのである.

 また,四角格子に2本の対角線を付け加えると,平面上に張ることができないK4グラフとなる.

 K5は4次元正単体そのものであって,次元の高い空間の中でなければ実現できないものもある.

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【雑感】正五角形に対角線を描き入れると星形五角形(ソロモンの星)ができるが,正五角形と星形五角形の入れ子はペンタグラムと呼ばれる.

 この図はK5と呼ばれる完全グラフである.グラフ理論を知っている人にとって,K5とK3,3を含むグラフはどうやっても平面グラフにはならない(クラトウスキーの定理)ことは常識的なことである.

 グラフ理論を知っているひとならば,完全グラフK5と答えるかもしれない.しかし,それでもイメージは貧困である.幾何学者にとっては,この図形は4次元正単体の投影図そのものなのである.もっといえば,n次元正単体は(n+1)個の点からなる完全グラフKn+1とみなすことができるのである.

 もし,この図が5つの四面体の結合にみえたなら,あなたも立派な幾何学者である.そこで格言,「この五角形が4次元正単体に見えぬ者は高次元幾何学の門をくぐるなかれ」

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