■円周率の古代史(その5)

 2003年の東大入試問題に,

  π>3.05

を証明せよという問題が出題された.

 半径1の円に正十二角形を内接させると,その周長は

  24sin15°

となる.

  sin15°=(√6−√2)/4

したがって,

  π>3(√6−√2)=3.10583

を得ることができる.

 半径1の円に正十二角形を内接させることによって,

  π>3.1

を証明することができた.この方法はもっとも標準的な解法であるが,正八角形の周長だと次のようになる.

  π/4>2sin22.5°=2{(1−cos45°)/2}^1/2

  π>4{2−√2}^1/2=3.06147

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 ここでは内接する正多角形の周長を用いたが,面積を用いて大小比較する場合は,正12角形でも足りず,正16角形や正24角形について検討する必要がある.

 半径1の円に正十二角形を内接させると,その面積は

  3sin30°=3√3/2=2,59808

となる.

 半径1の円に正16角形を内接させると,その面積は

  8sin22.5°=4{2−√2}^1/2=3.06147

となる.

 半径1の円に正24角形を内接させると,その面積は

  12sin15°=3(√6−√2)=3.10583

となる.

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