■n次元の立方体と直角三角錐(その357)

 正軸体系の(1,・・・,1,0)は,置換多面体や平行多面体ともよく混同される.3次元では空間充填図形であるが,4次元以上ではそうはならない.

 そのことは以下のようにして知ることができる.3次元の正四面体系と正八面体系,4次元の正16胞体系と正24胞体系の準正多胞体に重複が存在する.

  {3,3}(0,1,0)≡{3,4}(1,0,0)

  {3,3}(1,0,1)≡{3,4}(0,1,0)

  {3,3}(1,1,1)≡{3,4}(1,1,0)

  {3,3,4}(0,1,0,0)≡{3,4,3}(1,0,0,0)

  {3,3,4}(1,0,1,0)≡{3,4,3}(0,1,0,0)

  {3,3,4}(1,1,1,0)≡{3,4,3}(1,1,0,0)

 すなわち,

  {3,3,4}(1,1,1,0)≡{3,4,3}(1,1,0,0)

は切頂正24胞体と一致するから,4次元空間を充填するためには,4次元立方体を補充しなければならない.(その356)の検討で空間充填するように思えたのは3次元人の錯覚なのである.

 5次元以上についても

n   3^n−1−2^(n-1)n   2(2^n−1)

2      4            6

3     14           14

4     48           30

5    152           62

6    536          126

であって,正軸体系の(1,・・・,1,0)は空間充填図形にはならない.何を補充すれば空間充填図形になるのだろうか? n次元立方体だけでいいのだろうか?

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