■マッチ棒のパズル(その2)

 息子・耕太郎(当時,小学1年生)の宿題に,ミツウロコ文様

   △

  △▽△

が描かれていて,すべての正三角形(下向きの正三角形も含む)を数えると何個あるかという問題をみつけました.息子はミツウロコのことをトライフォースと呼んでおりました.4つの正三角形という意味だと思われますが,多分,アニメ(漫画?)ではそう呼ばれていたのでしょう.ちなみに,息子の答えは,大きな正三角形を数えもらしていたため,4個となっておりましたが,5個が正解です.

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【1】ミツウロコの問題(三角形はいくつある?)

(問)△,▽を正三角形状に積み上げて次数nのミツウロコ文様を作る.正三角形はいくつ?

 次数 1  2    3      4        5

    △  △    △      △        △

      △▽△  △▽△    △▽△      △▽△

          △▽△▽△  △▽△▽△    △▽△▽△

                △▽△▽△▽△  △▽△▽△▽△

                        △▽△▽△▽△▽△

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(答)基本正三角形の個数は

  1+3+5+7+・・・+(2n−1)=n^2

ですが,基本正三角形を積み重ねてできる大正三角形のなかにあるすべての正正三角形の総数はという問題ですから,求める数は

  1→5→13→27→48→78→118→・・・

と増えていきます.

 一般項はどのように表されるのでしょうか? この問題には難しいことは何一つ出てきませんが,口,田,囲の場合と同じように考えようとするとなかなか一筋縄ではいかない問題であることがわかります.

 数え落としや重複など数え間違いのないように整理してから,階差をとるとその理由が見えてくるのですが,

      1→5→13→27→48→78→118→・・・

 第1階差  4→8 →14→21→30→40→・・・

 第2階差   4 →6 →7 →9 →10→・・・

 第3階差     2 →1 →2 →1 →・・・

 第3階差では2と1が交互に繰り返しているので,この数列は1つの多項式で表せず,その答えも交互に2つの式で表されることになります.

 この規則性を用いて,n=8の正三角形の総数を予想すると170と求められます.

      1→5→13→27→48→78→118→170→・・・

 第1階差  4→8 →14→21→30→40→52→・・・

 第2階差   4 →6 →7 →9 →10→12→・・・

 第3階差     2 →1 →2 →1 →2 →・・・

(答)

  nが偶数のとき,1/8n(n+2)(2n+1)

  nが奇数のとき,1/8{n(n+2)(2n+1)−1}

まとめると

  1/8[n(n+2)(2n+1)+{(−1)^n−1}/2]

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 ところで,この問題に現れる図形は一見したときよりより多くの辺をもっています.

 次数   1  2  3  4  5     n

 辺数   3  9 18 30 45  3n(n+1)/2

正三角形数 1  5 13 27 48

 したがって,辺1本あたりの正三角形数は

  nが偶数のとき,(n+2)(2n+1)/12(n+1)

  nが奇数のとき,{n(n+2)(2n+1)−1}/12n(n+1)

ということになる.

(問)6本の長さの等しいマッチ棒を使って4個の正三角形を作れ.

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(答)マッチ棒をテーブルの上に並べると,そんなことは不可能のようにみえる.しかし,この問題は2次元に制限されているわけではない.3次元正四面体を作ればよいのである.

 もしあなたがn次元人ならば,(n+1)n/2本の長さの等しいマッチ棒を使って,(n+1)n(n−1)/6個の正三角形を作ることができる.辺1本あたりの正三角形数は

  (n−1)/3

ということになります.

[補]n次元正単体は(n+1)個の点からなる完全グラフとみなすことができ,k次元胞の数はfk=(n+1,k+1)です.

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