■マッチ棒のパズル(その1)

 口の字には正方形が1個ありますが,田の字には小さい正方形が4個と大きい正方形が1個で,合計5個の正方形があります.さらに,囲の字には小さい正方形が9個,中位の正方形が4個,大きい正方形が1個で,合計14個の正方形があります.

 次数 1  2    3    4      5

    □  □□  □□□  □□□□  □□□□□

       □□  □□□  □□□□  □□□□□

           □□□  □□□□  □□□□□

                □□□□  □□□□□

                      □□□□□

 さらに次数を増やすと,正方形の合計は

  1→5→14→30→55→・・・

と増えていくのですが,この数列が

  1^2+2^2+3^2+・・・+n^2=1/6n(n+1)(2n+1)

で表されることは容易に理解されるでしょう.

 ところで,この問題に現れる図形は一見したときよりより多くの辺をもっています.

 次数  1  2  3  4  5     n

 辺数  4 12 24 40 60  2n(n+1)

正方形数 1  5 14 30 55  1/6n(n+1)(2n+1)

 したがって,辺1本あたりの正方形数は

  (2n+1)/12

ということになります.

(問)12本の長さの等しいマッチ棒を使って6個の正方形を作れ.

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(答)マッチ棒をテーブルの上に並べると,そんなことは不可能のようにみえる.しかし,この問題は2次元に制限されているわけではない.3次元立方体を作ればよいのである.

 もしあなたがn次元人ならば,n・2^n-1本の長さの等しいマッチ棒を使って,n(n−1)・2^n-3個の正方形を作ることができる.辺1本あたりの正方形数は

  (n−1)/4

ということになる.

[補]n次元超立方体の母関数は

  Σfkx^k=(2+x)^n

という形になります.すなわち,fk=2^(n-k)(n,k)です.

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