■n次元の立方体と直角三角錐(その350)

 3次元の正四面体系と正八面体系,4次元の正16胞体系と正24胞体系の準正多胞体に重複が存在する.

  {3,3}(0,1,0)≡{3,4}(1,0,0)

  {3,3}(1,0,1)≡{3,4}(0,1,0)

  {3,3}(1,1,1)≡{3,4}(1,1,0)

  {3,3,4}(0,1,0,0)≡{3,4,3}(1,0,0,0)

  {3,3,4}(1,0,1,0)≡{3,4,3}(0,1,0,0)

  {3,3,4}(1,1,1,0)≡{3,4,3}(1,1,0,0)

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 3次元と4次元で重複が存在する理由は,正四面体(正16胞体)の辺の中点を結ぶ(切頂する)と正八面体(正24胞体)ができるからである.

  {3,3}(0,1,0)≡{3,4}(1,0,0)

  {3,3,4}(0,1,0,0)≡{3,4,3}(1,0,0,0)

 3次元の場合,正四面体を切頂してさらに切稜することは,正八面体を切頂することと等価である.切頂八面体系は全部で4種類あるが,

  {3,4}(0,1,0)≡{3,3}(1,0,1)

  {3,4}(0,0,1)→重複しない

  {3,4}(1,1,0)≡{3,3}(1,1,1)

  {3,4}(0,1,1)→重複しない

 4次元の場合,正16胞体を切頂してさらに切稜(切面)することは,正24胞体を切頂(切稜)することと等価である.しかし,(結果的に?)正24胞体を切頂かつ切稜した図形は重複しないので,ここでは,切頂24胞体系3種類について考える.

  {3,4,3}(0,1,0,0)≡{3,3,4}(1,0,1,0)

  {3,4,3}(1,1,0,0)≡{3,3,4}(1,1,1,0)

  {3,4,3}(0,1,1,0)→重複しない

 このことから,n(≧5)次元の正単体系と正軸体系の準正多胞体に重複はないと思われる.正単体の頂点数n+1とファセット数n+1の合計2(n+1)が正軸体の頂点数2nやファセット数2^nと一致しないからである.

 実際,5次元以上の空間ではそのような例は知られていない.しかし,厳密にいうと,正単体の頂点数n+1とファセット数n+1の合計2(n+1)が正軸体の頂点数2nやファセット数2^nと一致しないからという理由では納得できない点もある.正単体系の最大ファセット数は2(2^n−1)あり,一方,切頂正軸体系のファセット数は2^n+2nあるから,オーバーラップしてしまうからである.

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 n(≧5)次元の正単体系と正軸体系の準正多胞体に重複はないと思われるが,この性質が証明されているのがどうかは知らない.

 幾分経験則的であるかもしれないが,願望を込めてしっかり確立されたものとみなすことにしたいのであるが,・・・.

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