■メビウス変換とシュタイナーの定理(その6)

 ショットキー円族を描くために,(その5)では例として

  a=[1,1]  b=[1,−1]

    [1,2]    [−1,2]

をあげましたが,ここでは,

  b=[x,y]  a=[u,  ikv]

    [y,x]    [−iv/k,u]

という例を考えてみます.

 bは伸縮写像で,±1を固定点にもち,実軸に沿って−1から+1の点を動かします.また,bは中心が−x/yで,半径が1/yの円の外部を中心がx/yで,半径が1/yの円の内部に移します.また,aは中心が−iku/vで,半径がk/vの円の外部を中心がiku/vで,半径がk/vの円の内部に移します

  Tra=2u,Trb=2x

  Trab=2ux,Trb=ivy+(h−1/k)

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 aとbの行列式が1であることより,

  x^2−y^2=1,u^2−v^2=1

また,4つのシュットキー円が円鎖を構成することより

  (k+1/k)/2=1/yv

が成立しなければなりません.

 k=1,x=u=√2,y=v=1

の場合,

  b=[√2,1]  a=[√2, i]

    [1,√2]    [−i,√2]

4つの円の接点は

  ±(cosπ/4+isinπ/4)=±exp(±iπ/4)

となります.

 a,bは

[1]Tra^-1=Tra,Trb^-1=Trb,Trbab^-1=Tra,Tra^-1b^-1=Trab,TrI=2

[2]aba^-1b^-1のトレースは放物型で−2でなければならない

[3]マルコフ恒等式

を満たしています.

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