■メビウス変換とシュタイナーの定理(その3)

 1次分数変換(メビウス変換)

  w=(az+b)/(cz+d)

は円を円に変換する.すなわち,

[1]この変換は円は円に移り,直線も円へ移るという性質を併せもつ.また,

[2]この写像は等角写像になる.

 [2]について補足しておきたい.

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  T(z)=(az+b)/(cz+d)=a/c+(bc−ad)/c(cz+d)

とくに,ad−bc=1の場合は

  T(z)=(az+b)/(cz+d)=a/c−1/c(cz+d)

と簡略化できる.

 すなわち,平行移動,スケール変換,反転から成り立っていて,これらの操作はすべて円と角度を保つことがすでにわかっているものばかりである.

 結局,アフィン変換

  T(z)=az+b

は複素平面に対する役割を,メビウス変換はリーマン球面に対して行うことになるわけである.

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