■かみあわない話(その4)

 秋山仁先生も「まだまだこんなところにも数学が!」(扶桑社)でとりあげていらっしゃる有名な話で、「ねたみを生まない上手な分配法」というのがありますね。

 「2人のうちの1人(Aさん)が、自分が2等分だと納得できるようにケーキを切る。そして、もう1人(Bさん)が2等分されたケーキの好きなほうを選ぶ」という方法なのですが、これを婚約者に紹介したところ、大人の場合はそうかもしれないけど・・・と、納得いかないようでした。

 彼女の意見は二人の子供を育てた経験にもとづいているようです。まず、2人のうちどちらが切り分けるかでもめるといいます。たとえばじゃんけんで負けて切り分ける側になれなかったほうが不満を持つそうです。

 つぎに、こんどは切り分けられたケーキを、待っていたほうが選んだとたん、切り分けた側のほうが、大きいのを取られてしまったと悔しがるそうです。

 合理と非合理、ねたみというものは一筋縄ではいかないもののようです。   (中川宏)

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