■ワイソフ計量空間(その11)

 一般に,n次元空間においては基本単体の構成要素の2^n−1種類のいずれかにあるのかを示すような頂点の決め方をワイソフ構成という.ワイソフ構成はn次元ベクトル

  m=(m0,m1,・・・,mn-1)

  miは0または1で,同時に0であってはならない

として表記することができる.

 f0公式はfn-1公式に比べ難しいという指摘を受けたが,そんなはずはない.それは123とxyzでは後者が難しく見えるだけという事情と何ら変わりない.

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【1】f0公式

[0]k次元胞数をgkとおく.

  n次元正軸体:gk=(n,k+1)2^(k+1)

  n次元正単体:gk=(n+1,k+1)

[1]ワイソフ構成において,たとえば,1が3箇所i,j,k  (i<j<k)にあったとしよう.k→j→iの経路数Gkは

  Gk=(k+1)!/(i+1)!・1/(k−j)!(j−1)!

である.

[2]例として,ワイソフ構成が(1,1,・・・,1)すなわち同じ位置に複数の頂点がない場合,正単体系では

  Gk=n!,gk=n+1

より頂点数(n+1)!,正軸体系では

  Gk=n!,gk=2^n

より頂点数2^nn!になる.

[3]すなわち,f0は経路数Gkを多面体的組み合わせ論的に計算することによって,

  f0=Gkgk

で計算されるというのが,この要旨である.

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【2】f1公式

 次数をmとすると,辺数はf1=m/2・f0で与えられる.同様にmの求め方をアルゴリズム化したものがf1公式である.

 f0公式とf1公式は,n次元の正軸体も正単体もファセットは等しく,(n−1)次元正単体であることの別表現になっているのである.

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