■n次元の立方体と直角三角錐(その302)

 点Q(x1,・・・xn)と基本単体のすべてのファセットまでの距離は,

  (x1−x2)/√2,(x2−x3)/√2,・・・,(xn-1−xn)/√2,xn

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【1】n次元正軸体版のf1アルゴリズム

[1]ワイソフ構成を区切って連にする.

  [1|0|1|0|1],[0|1|0|1|0]など

[2]ワイソフ構成が1の連の成分を等しいとする.同じ連はすべて右端の変数で表すことができる.

 最後の連の場合,

  (xi−xj)/√2=(xj−xk)/√2=・・・=(xn-1−xn)/√2=xn

  xj=(1+(n−j)√2)xn

であり,最小偏差はΔ=√2xnである.

 最後の連でない場合,

  (xi−xj)/√2=(xj−xk)/√2=・・・=(xk−xl)/√2

であり,最小偏差をΔとおくと

  xi=xl+(j−l)Δ

[3]ワイソフ構成が0の成分を等しいとする.

  (x1−x2)/√2=(x2−x3)/√2=・・・=(xn-1−xn)/√2=xn=0

 これらもすべて右端の変数で表すことができる.

[4]同じ象限で,Q(x1,・・・xn)から最小偏差にある次数を求める.他の象限の次数は,成分の符号をひとつ変えたもので,最小偏差にある次数を求める.ここはコンピュータを用いた総当たり的な手法で求めることができる.

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【2】n次元正単体版のf1アルゴリズム

  aj=√(1/2j(j+1))

とおくと,

  P0(−a1,−a2,−a3,−a4,・・・,−an)

  P1(+a1,−a2,−a3,−a4,・・・,−an)

  P2(0,+2a2,−a3,−a4,・・・,−an)

  P3(0,0,+3a3,−a4,・・・,−an)

  P4(0,0,0,+4a4,・・・,−an)

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  Pn(0,0,0,0,・・・,+nan)

 P0が原点になるように平行移動させると,

  P0(0,0,0,0,・・・,0)

  P1(2a1,0,0,0,・・・,0)

  P2(a1,3a2,0,0,・・・,0)

  P3(a1,a2,4a3,0,・・・,0)

  ・・・・・・・・・・・・・

  Pn-1(a1,a2,a3,a4,・・・,nan-1,0)

  Pn(a1,a2,a3,a4,・・・,(n+1)an)

 n(n+1)/2組の平行なn次元ベクトルは

  P0P1=(2a1,0,0,0,・・・,0)

  P0P2=(a1,3a2,0,0,・・・,0)

  P0P3=(a1,a2,4a3,0,・・・,0)

  P0P4=(a1,a2,a3,5a4,・・・,0)

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  P0Pn-1(a1,a2,a3,a4,・・・,nan-1,0)

  P0Pn=(a1,a2,a3,a4,・・・,(n+1)an)

  P1P2=(−a1,3a2,0,0,・・・,0)

  P1P3=(−a1,a2,4a3,0,・・・,0)

  P1P4=(−a1,a2,a3,5a4,・・・,0)

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  P1Pn-1(−a1,a2,a3,a4,・・・,nan-1,0)

  P1Pn=(−a1,a2,a3,・・・,(n+1)an)

  P2P3=(0,−2a2,4a3,0,・・・,0)

  P2P4=(0,−2a2,a3,5a4,・・・,0)

  ・・・・・・・・・・・・・・

  P2Pn-1(0,−2a2,a3,a4,・・・,nan-1,0)

  P2Pn=(0,−2a2,a3,a4,・・・,(n+1)an)

  P3P4=(0,0,−3a3,5a4,・・・,0)

  ・・・・・・・・・・・・・・

  P3Pn-1(0,0,−3a3,a4,・・・,nan-1,0)

  P3Pn=(0,0,−3a3,a4,・・・,(n+1)an)

  Pn-1Pn=(0,0,0,・・・,−(n−1)an-1,(n+1)an)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 正軸体の形状ベクトルに関係した(4次元の)

  (x−y)/√2=(y−z)/√2=(z−w)/√2=w

  x+y+z+w=1

の正単体版対応物を求めてみるためには,立方格子の格子線の交角を60°になるようにゆかめた斜交座標系を考える.すると,点Q(x1,x2,・・・,xn-1,0)から,

  x1=a1平面(1−x1/a1=0平面)

  x1/a1−x2/a2=0平面

  ・・・・・・・・・・・・・・・

  xn-2/an-2−xn-1/an-1=0平面

までの距離が等しいことより,

  a1−x1=(x1/a1−x2/a2)/(1/a1^2+1/a2^2)^1/2=・・・=(xn-2/an-2−xn-1/an-1)/(1/an-2^2+1/an-1^2)^1/2

  xn=0

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  (x−y)/√2 ←→ a1−x1=(1−x1/a1)/(1/a1^2)^1/2

  (y−z)/√2 ←→ (x1/a1−x2/a2)/(1/a1^2+1/a2^2)^1/2

  (z−w)/√2 ←→ (xn-2/an-2−xn-1/an-1)/(1/an-2^2+1/an-1^2)^1/2

  x+y+z+w=1 ←→ xn=0

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