■ワイソフ計量空間(その6)

 ワイソフ計量空間を使って求められることをもう一度整理したい.

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 ワイソフベクトルはn次元ベクトル

  m=(m0,m1,・・・,mn-1)

  miは0または1で,同時に0であってはならない

として表記することができる.

 したがって,その種類は2^n−1あり,ワイソフベクトルを決めると,n次元準正多胞体がひとつ定まる.

【定理1】ひとつのn次元原正多胞体から構成されるについて,n次元準正多胞体の種類は(原正多胞体も含め),2^n−1種類ある.ただし,原正多胞体が自己双対の場合は,2^(n-1)+2^[(n-1)/2]−1種類となる.

 3次元・4次元では,正単体から構成されるn次元準正多胞体と正軸体から構成されるn次元準正多胞体などの間には重複するものがあるが,5次元以上では重複するものは知られてない.

【系1】n(≧5)次元準正多胞体の種類は(原正多胞体も含め),2^n+2^(n-1)+2^[(n-1)/2]−2種類となる.

 n次元準正多胞体を細分類したい.正軸体系切頂型は2^n+2n胞体,正単体系切頂型は2(n+1)胞体となるもので,それ以外を切頂切稜型と呼ぶことにする.

【系2】準正多胞体を切頂型と切頂切稜型に分類すると,切頂型の種類は(原正多胞体も含め),2n−1種類ある.原正多胞体が自己双対の場合はn種類となる.

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【2】特殊例

 正多胞体は鏡映(反転)すると合同になる単体群に分割される.それが基本単体である.正単体では(n+1)!個,正軸体・立方体では2^nn!個の基本単体に分割される.準正多胞体では点Qが決まればあとは鏡映することによってすべての頂点の位置を決定することができる.

 ワイソフ構成が(1,1,・・・,1)すなわち同じ位置に複数の頂点がない場合,正単体系では頂点数(n+1)!,正軸体系では頂点数2^nn!になる.また,これらは単純多面体であるがら,辺数はf1=n/2・f0で与えられる.また,正単体系(1,1,・・・,1)のファセット数は2(2^n−1),正軸体系(1,1,・・・,1)のファセット数は3^n−1で与えられる.

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【3】ワイソフ算術

 頂点数f0,ファセット数fn-1はわかったが,任意の次元の辺や面の個数fkの一般式については気になるところである.

 準正多胞体の面数fkと原正多胞体の面数gjとの間に,整数係数による線形関係

  fk=lg0+mg1+ng2+・・・

が成り立ちそうなので,そのワイソフ構成を用いた簡単な算術規則が存在するに違いない・・・.

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