■地図と三角法(その7)

 経度λ,緯度φ,地球半径Rを用いて,

[1]サンソン図法の投影式は

  x=Rλcosφ,y=Rφ

[2]モルワイデ図法の投影式は

  x=Rλcosθ,y=Rπ/2sinθ

  πsinφ=sin2θ+2θ

で表される.

 とくに,後者はまったく想像できない表式であろう.これらがどのようなアイデアの下に得られたものがは理解できないが,将来,その方面の専門家で,しかもサービス精神の豊かな方に,ぜひもっと深い数学的な事実を,できれば素人にもわかるように解説してほしいと期待している.

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 さて,経線(λ=λ0,−π/2≦φ≦π/2)や緯線はどんな曲線(x,y)に投影されるのだろうか?

[1]サンソン図法

  経線:x=Rλ0cosφ,y=Rφ → x=Rλ0cos(y/R)すなわち正弦曲線.

  緯線:x=Rλcosφ0,y=Rφ0 → yは一定であるから直線.

[2]モルワイデ図法

  経線:x=Rλ0cosθ,y=Rπ/2sinθ

 → (x/Rλ0)^2+(y/Rπ/2)^2=1すなわち楕円.

  緯線:x=Rλcosθ0,y=Rπ/2sinθ0 → yは一定であるから直線.

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 地図はその目的によって,地球上の2点の正確な距離,形(面積),方向を保存するように工夫されているが,地球は丸いので,これらのどれかを保存することは他のものを犠牲にすることになる.

 われわれが最も慣れ親しんでいる世界地図は,メルカトールの地図と呼ばれるものである.メルカトールの地図は等角写像,すなわち,任意の点から任意の他の点までの正しい方向(方位角)を示す地図であって,海図として航海のナビゲーション用に広く使用されている.

 地図投影の中で,もっとも単純なのは円筒を使って平面にする円筒図法であろう.円筒投影では赤道で接触している円筒に対して,

[1]地球の中心から投影するもの

[2]無限遠点から投影するもの

で,円筒が開けられたとき平面地図が得られる.

 [1]では緯線間隔は緯度とともに増加し,高緯度での歪みが大きくなる.[2]は北極点と南極点を結ぶz軸に垂直に投影するもので,ランベルト図法と呼ばれる.

 メルカトール図法では,任意の点から任意の他の点までの正しい方向(方位角)を示すのに対し,ランベルト図法では面積が保存されるという特長がもたらされるのである.

 メルカトール図法と円筒図法はどちらも表面的には似ているため,しばしば混同される.しかし,メルカトール図法は解析的・計算的に得られたものであって,幾何的・投影的なものではない.今日でさえ,多くの地理の教科書で誤った記事が掲載されていることはまことに残念なことである.

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