■正方形の台紙から展開図を切りとってできる最大の立方体

 このコラムで「正多面体に内接する最大の別の多面体は何か」という問題を取り上げたのは2008年のことであった.

 クロフトの論文

  Croft, HT: On maximal regular polyherda inscribed in a regular polyhedron, Proc. London Math Soc(3), 41, 279-296, 1980

によると,5種類の正多面体の組み合わせは全部で20通りあるが,立方体に内接する最大の正八面体の解答はいささか意外な結果になる.

 立方体の頂点からでる3本の辺を3:1に内分する3点をとる.その頂点の対蹠頂点からでる3本の辺を3:1に内分する3点をとり,この6点を選べば立方体に内接する最大の正八面体が得られる.もとの立方体との体積比は

  (3√2/4)^3√2/3=9/16=0.5625

となって,最小(0.167)であった正八面体が正20面体の0.515を超え,最大(0.5625)になったのである.

[Q]20×20の正方形の台紙から展開図を切りとってできる最大の立方体は何か

という問題の解答も私にとって意外なものであった.

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[1]立方体には11通りの展開図があり,それらはすべて平面充填図形になる.たとえば,ラテン十字型を切りとってできる立方体の1辺の長さは5,したがって,立方体の体積は5^3=125になる.

[2]この方法は台紙の無駄が大きいので,ラテン十字型展開図を正方形の対角線上に描くことにすると,ラテン十字型を切りとってできる立方体の1辺の長さは4√2,したがって,立方体の体積は4^32√2=128√2≒181(約1.5倍)になる.

[3]立方体には11通りの辺展開図があるが,辺に限らず辺以外にもハサミを入れてよいとする.その場合,×字型の展開図を正方形の対角線上に描くことができる.×字型を切りとってできる立方体の1辺の長さは5√2,したがって,立方体の体積は5^32√2=250√2≒354(約3倍)になる.

[A]正方形の台紙から立方体の展開図を切りとってできる立方体の体積を最大にする展開図は[3]である.

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