■ハードマテリアルの構築学(その6)

 ハードマテリアルの構築原理は

[1]2次元:e=2v−3

[2]3次元:e=3v−6

[3]n次元:e=nv−n(n+1)/2

で与えられる.

 n=1の場合,

[4]1次元:e=v−1

となるが,木グラフの頂点と辺の関係は

  e=v−1

で与えられる.

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 それでは完全グラフKnではどうだろうか?

  v=n,e=n(n−3)/2+n=n(n−1)/2

 2次元において,

  2v−3−e

に代入すると

  2v−3−e=2n−3−n(n−1)/2

 =−(n^2−5n+6)/2=−(n−2)(n−3)/2

n≧3では,不足している辺数が負となり,常に剛性条件が満たされる.

 任意のn次元についても

  nv−n(n+1)/2−e

に代入すると

  n^2−n(n+1)/2−n(n−1)/2=0

となって,常に剛性条件が満たされる.

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 完全二部グラフKn,mではどうだろうか?

  v=n+m,e=nm

 したがって,不足している辺数は

  2v−3−e=2(n+m)−3−nm=1−(n−2)(m−2)

 n>2かつm>2の完全二部グラフならば剛性は損なわれない.1×1でも同様.しかし,それ以外では剛性を保つことができない.

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