■n次元の立方体と直角三角錐(その242)

 f1公式に難渋しているので,これまでの経過を振り返ることにした.

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【1】fn-1公式

 石井源久先生の示したファセット数公式は,原正多面体の面数公式を

  正単体の面数公式:  gk^(n)=n+1Ck+1

  正軸体の面数公式:  gk^(n)=2^(k+1)nCk+1

  縮退情報    :  B=(b0,・・・,bn-1)

とすると,

  fn-1^(n)=Σ(j=0~n-1)gj^(n)bj

というものである.ここで,各bjは0か1の値をとるから,ゼータ関数ににおける「指標」のようなものと考えることができる.

  f=Σχg

とした方がその雰囲気が味わえるかもしれない.

 ファセットが縮退しているか否かどうかを表す「指標」は,形状ベクトルから求めることができる.

[1][1,0,・・・,0]→[0,0,・・・,1]

   [0,0,・・・,1]→[1,0,・・・,0]

[2a]形状ベクトルの最も左にある1と最も右にある1の間の成分をすべて1にする.

[2b]隣の成分が0である1を0に変更する.

[2c]両端の成分を1にする.

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 一方,私が示した面数公式は,縮退のない多面体に対して

  正単体の面数公式:  gk^(n)=n+1Ck+1

  正軸体の面数公式:  gk^(n)=2^(k+1)nCk+1

  fk^(n)=Σ(j=0~k)gj^(n)f(k-j)^(n-1ーj)

というものであって,その多面体が再帰的な構造を有していることを前提として構成したものである.

 k=n−1のとき,f(k-j)^(n-1ーj)=1であるから,縮退した多面体については,面数公式

  fk^(n)=Σ(j=0~k)gj^(n)f(k-j)^(n-1ーj)bj

が成り立つかもしれないと考えるのは自然な発想であろう.

 各bjには0か1以外の整数値も許すことにすると

  fk^(n)=Σ(j=0~n-1)gj^(n)bj

が成り立つようにすることができるのではないか・・・このように考えて,石井源久先生の「指標」よりもよいものを探求しようと試みたのであるが,うまく行かなかった.

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【2】f0公式

 形状ベクトルによって,f0公式を考えてみる.0がk個並ぶと(k+1)個の変数が同値になるので,組み合わせ論的に考えると,頂点数は

  正単体系: f0=(n+1)!/(k+1)!

  正軸体系: f0=2^n・n!/(k+1)!

個になるはずである.

 これは(例外はあるにせよ)ほぼ正しいことが確認された.もっと正確に計算するには,座標が等しくなるものと0になるものを分離して考える必要があった.すなわち,

[1]形状ベクトル[1,0,0]の場合

  (y−z)/√2=z=0,y=z=0

 →(±x,0,0)の置換であるから6通り

[2]形状ベクトル[0,1,0]の場合

  (x−y)/√2=0,z=0,x=y

 →(±x,±x,0)の置換であるから12通り

[3]形状ベクトル[0,0,1]の場合

  (x−y)/√2=(y−z)/√2=0

 → x=y=z →(±x,±x,±x)の置換であるから8通り

[4]形状ベクトル[1,1,0]の場合

  (x−y)/√2=(y−z)/√2,z=0

 →(±x,±y,0)の置換であるから24通り

[5]形状ベクトル[1,0,1]について,

  (y−z)/√2=0,y=z

  (x−y)/√2=z

 →(±x,±y,±y)の置換であるから24通り

[6]形状ベクトル[0,1,1]の場合

  (x−y)/√2=0,(y−z)/√2=z

 →(±x,±x,±z)の置換であるから24通り

[7]形状ベクトル[1,1,1]の場合

  (x−y)/√2=(y−z)/√2=z

 →(±x,±y,±z)の置換であるから48通り

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 現在はQ数を直接的に求める方法を採用している.すなわち,k次元胞数をfkとおく.

  n次元正軸体:gk=(n,k+1)2^(k+1)

  n次元正単体:gk=(n+1,k+1)

[1]点QがPkにあるとき

  f0=Gkgk,  Gk=(k+1,k+1)=1

[2]点QがPjPkにあるとき

 PjPk(j<k)はk次元胞の中心Pkからj次元胞の中心に向かう線分の数であるから,その数はk次元胞は何個のj次元胞で構成されているかに一致する.

 当該の数は,

  Gk=(k+1,j+1)

となるから,

  f0=Gkgk

  j=k−1ならばGk=(k+1,k)=(k+1,1)=k+1

  j=k−2ならばGk=(k+1,k−2)=(k+1,2)=k(k+1)/2

となる,

[3]点QがPiPjPkにあるとき

 PiPjPk(i<j<k)はk次元胞の中心Pkからj次元胞の中心に向かう線分の数であるから,その数はk次元胞は何個のj次元胞で構成されているかとj次元胞の中心Pjからi次元胞の中心に向かう線分の数であるから,その数はj次元胞は何個のi次元胞で構成されているかに依存する.

 すると,当該の数は,

  Gk=(k+1,j+1)(j+1,i+1)

となるから,

  f0=Gkgk

  j=k−1ならば(k+1,k)=(k+1,1)=k+1

  i=j−1ならば(j+1,j)=(j+1,1)=j+1

となり,

  Gk=(k+1,j+1)(j+1,i+1)=(k+1)(j+1)=k(k+1)

となる.

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