■ラマヌジャンが編み出した数学上の技巧(その5)

 ラマヌジャンの問題「2^n−7=x^2の整数解を求めよ」について,n=10^40までコンピュータ検索したが,ラマヌジャン自身が示した解

  n=3,4,5,7,15

以外の解を発見することはできなかったという.最近,この5組以外の解はないことが証明された.証明はかなり難しいらしい.

  [参]中島匠一「問題を解こう!」日本評論社

に簡単に計算する方法が掲載されていたので,紹介したい.

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  α=(1+√−7)/2

とおく.

  α+α~=1,αα~=2=|α|^2

  α^k=(ak+bk√−7)/2

によって,有理数ak,bkを定めれば

  ak^2+7bk^2=4|α^k|^2=2^k+2

 したがって,ラマヌジャンの問題「2^n−7=x^2の整数解を求めよ」に対しては,

  bk=±1

が対応する.

 定義より

  bk=(α^k−α~^k)/√−7

ここで,

  α^k+2−α~^k+2=(α+α~)(α^k+1−α~^k+1)−αα~(α^k−α~^k)

より,漸化式

  bk+2=bk+1−2bk,b0=0,b1=1

が得られる.

k:0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13

bk:0,1,1,−1,−3,−1,5,7,−3,−17,−11,23,45,−1

 bk=±1となるのは

  (x,n)=(1,3)(3,4),(5,5)(11,7)(181,15)

すなわち,n=3,4,5,7,15の5組が得られる.

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