■六角形1種類による非周期的平面充填(その4)

 非周期六角形タイル(aperiodic hexagonal tile)と聞いて,自分なりに想像したことは,たとえば,3種類の菱形(π/7−6π/7,2π/7−5π/7,3π/7−4π/7)を使って導き出せないかということであった.

 しかし,この3種類の菱形を中心角が2πになるように組み合わせようとすると,うまく凸図形にならない.無理矢理凸にしようとすると今度は六角形にならない.パターン全体にわたって正十四角形が現れるのである.

 よしんばこの方法がうまくいったとしてもそれは等辺タイルである.不等辺タイルにうまくアレンジすることができるかもしれないが,どうしても隙間があいてしまう可能性が高い.(想像がつねに創造に結びつくとは限らない.)

 そこで,答え

[参]J. E. S. Socolar and J. M. Taylor, An aperiodic hexagonal tile, Journal of Combinatorial Theory

18 (2011), 2207-2231.

をみることにしたのであるが,杉本晃久さん(五角形による平面充填の研究者)の解説によれば,それは付き合わせ条件をもった1つの六角形でaperiodicタイリングを作れるという代物であった.(ただし六角形は鏡映像を使う,鏡映像は同じタイルとみなす).

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