■連続回転する多面体の輪(その4)

 正四面体の相対する稜は互いに直交している.合同な正四面体6個の相対する辺をテープで貼り付けて環にすることができる.しかし,この環はわずしか動かすことができない.また,7個ではうまくかみ合わない.

 それに対して,8個以上の正四面体を稜同士を蝶番でつないでできる輪は,内と外が入れ替わりあうように連続的に回転することができる.正四面体でなく,細長くかつ平たい四面体では6個(鏡像体を3個ずつ交互に)をつなくだけでも回転する.

 もう少しずんぐりした四面体を数個(6個とは限らない)で同様の立体を構成できる.16個の正八面体を辺と辺で接合しても似たようなリングを構成できる.また,適当な稜が蝶番でつながれた6つの立方体の輪も連続的に回転することができる.

 これらはくり返し裏返せる多面体の輪になっているというわけで,撹拌装置の原理として広く使われている.

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【1】パウル・シャッツ立体

 とくに,6辺の辺長が

  1,a,a,2a,2a,√5a   (a=1/√3)

の四面体の鏡像体を辺長aの辺で3個ずつ交互に連結し環状に閉じたものは,3セットで辺長1の立方体に収まるという空間充填立体(1/18立方体)でもある特別な多面体の輪であり,パウル・シャッツ(Paul Schatz)により発見されたものであるという.

 1:a:aの直方体を2分割し,塹堵(ぜんと)型2個を作る.さらにそれを2:1に分割すると陽馬型と鼈臑(べつどう)型ができる.この鼈臑型がパウル・シャッツ立体である.パウル・シャッツ環はパウル・シャッツ立体3対を使ったサメの顎のような動くおもちゃで,輪郭が正六角形となるとき中央には正三角形の穴があき,中央の穴が閉じたとき片面は正三角形の平面になる.

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【2】面と面の接合

 多面体を接合するには,頂点と頂点,辺と辺,面と面を合わせる3通りの方法がある.

 正四面体の面接合では立体らせんを描くねじれた柱ができる.正八面体または正二十面体の面接合では立体らせんを描かない柱状物ができる.正四面体と正八面体の組み合わせでできる細長い構造体は,オクテット・マストと呼ばれる.

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