■基本対称式におけるニュートンの定理(その2)

 n次方程式:

  f(x)=x^n+a1x^(n-1)+・・・+an=Π(x−αi)=0

が与えられたとき,n変数基本対称式は

  σ1=α1+・・・+αn

  σ2=α1α2+・・・+αn-1αn

  σ3=α1α2α3+・・・+αn-2αn-1αn

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  σn=α1α2α3・・・αn

で表される.

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【1】ニュートンの不等式とマクローリンの不等式

 r次の基本対称式(の総和)σrについては,不等式

  σr-1σr+1≦σr^2 (1<=r<n)

が成り立つことが知られている.

 また,

  Π(1+tαi)=1+σ1t+σ2t^2+・・・+σnt^n

 =1+nC1c1t+nC2c2t^2+・・・+σnt^n

と表すと,

  cr=σn/nCr

すなわち,r次の基本対称式の平均である.

 crは

  σr-1σr+1≦σr^2 (1<=r<n)

よりも強い,次のような不等式を満たす.

(1):cr-1cr+1≦cr^2 (1<=r<n)   (ニュートンの不等式)

(2):c1≧c2^(1/2)≧c3^(1/3)≧・・・≧cn^(1/n)   (マクローリンの不等式)

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