■折り紙と正多角形(その12)

 多角形が与えられたとき,その辺を貼り合わせて凸多面体を折ることができるかという閉包条件は,アレクサンドロフの定理で与えられる.

 ところで,立方体を展開して得られるラテンクロス(十字架形)はよく知られた形であるが,辺と辺を貼り合わせることにより,驚いたことに5種類の凸多面体は折れるという.ラテンクロスは5通りの多面体になる多角形というわけである.

  [参]ドメイン&オルーク「幾何的な折りアルゴリズム」上原隆平訳,近代科学社

によれば,それらは,2重に合わさった平坦な四角形(二面体),不等辺四面体,五面体,立方体,不等辺八面体である.

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 折り鶴がきれいに折れるための必要十分条件は,内接円をもつ四辺形であることで,四辺形がABCDが内接円をもつための必要十分条件は,

  AB+CD=BC+DA

となることである.

 折り紙ではなく,木工多面体の場合であるが,中川宏さんのお話によると,切稜立方体が内接球をもつとき(断面が正八角形になるとき)きれいな積み木が組み上がるという.折り紙と木工多面体,条件は全く異なるが2次元で成り立つことが3次元にも遺伝しているのだろうか?

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