■3次元原子の電子軌道(その2)

   l\n 1   2   3   4   5   6

(s)0   1   1   1   1   1   1

(p)1   1   2   3   4   5   6

(d)2   0   2   5   9  14  20

(f)3   0   2   7  16  30  50

(g)4   0   2   9  25  55 105

について,誤解を与えてしまったようです.

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 n=1では球対称の1s軌道しかありません.ここに2個の電子が入ってK殻を作ります.n=2では球対称の1s軌道の他に細長い3個の軌道2px,2py,2pzはあって,4個の軌道に2個ずつ電子が入ってL殻を作ります(オクテット).

 さらに大きい原子(n=3)では1個の3s,3個の3p,5個の3d軌道,また,さらに大きい原子(n=4)では1個の4s,3個の4p,5個の4d軌道,7個の4f軌道が用意されています.それらのエネルギー準位は何重かに縮重しています.

 s,p,d,f,・・・軌道の種類は2l+1(l=0,1,2,3,・・・)となっています.全角運動量量子数lに対応する電子状態には,s(l=0),p(l=1),d(l=2),f(l=3)などの記号がついています.その語源は分光学上の特徴,すなわちスペクトル線の現れ方に由来するもので,たとえば,sはsharp(周波数の範囲が極めて狭い),pはprincipal(中心的な),dはdiffuse(ぼやけた),fはfundamental(基本的な)などの頭文字です.以下g,h,i,・・・と続きます.

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