■フルヴィッツの定理の証明(その2)

   |α−a/b|<1/√5b^2

を満たす有理数a/bは無限に多く存在する.一方,λ>√5に対しても

   |α−a/b|<1/λb^2

を満たす有理数a/bが有限個しかない無理数αが存在する.

===================================

【1】証明

 α=[a0:a1,a2,・・・]を無理数とする.無限個の近似分数pn/qnに対して

[1]λn=1/qn(qnα−pn)>√5となること

[2]√5より大きい数に置き換えると無限個に対しては成ろ立たないこと

を示す必要がある.

[1−1]無限個のanが3以上である場合

  λn-1>an≧3>√5

[1−2]2より大きいanは有限個だが,2になるanが無限個ある場合

  無限個のnに対してan+1=2,an≦2,an+2≦2であるから

  λn=an+1+1/(an+2+1/・・)+1/(an+1/・・)≧2+1/3+1/3=8/3>√5

[1−3]十分大きなmに対して,am=1である場合

  n>mにおいて,λn=[1:1,1,1・・・]+1/[1:1,1,1・・・,a1]

  n→∞のとき,λn=φ+1/φ=√5

[1−3]の場合だけが√5より大きい数に置き換えることができない.

===================================