■詐欺ジョンソン・ザルガラー多面体?(その17)

 非線形連立方程式の場合,イデアルの生成元の問題から方程式数と行列のランクのようなものは等しくないかもしれないが,たとえば(その4)で取り上げた真正ジョンソン・ザルガラー多面体J90は9変数に対して方程式数は9であった.変数と方程式の数は一致し,実際に実数解が求められた.

 それでは,詐欺ジョンソン・ザルガラー多面体は条件式が多すぎで一意に解が定まらないのか,逆に,条件が少なすぎて解が求まらないのか?

(その3) :11変数,方程式数13−14

(その12):15変数,方程式数23−25

(その14):10変数,方程式数15−16

(その15):3変数,方程式数15−17

となって,制約条件式が過剰であることがわかる.

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 一般に,元からあった未知変数の個数をn,求めた方程式の個数をmとする.mがnより小さければ,そのような図形は現実には存在しないと思われる.

 nとmが等しければ立体になる可能性は高いが,確かめるのは大変であろう.それが必要十分条件だといいたいのであるが,数学的にはイデアルの生成元の問題など微妙な問題があるからである.

 非線形連立方程式の場合,たとえ方程式の数と変数の数が一致する場合であっても,実際にその式を解いてみて,実数空間に解をもつことを確認しないといけない.連立方程式が成立していないことさえあるのであって,単に論理だけで自動的に可解性を決定するのは無理であろう.

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