■シルベスターの切手問題(その2)

 n=2,a1=5,a2=8のとき,27よりも小さい14の数に対しては実現可能(0,5,8,10,13,15,16,18,20,21,23,24,25,26),14の数に対しては実現不可能(1,2,3,4,6,7,9.11.12,14,17,19,22,27).

 27よりも大きければ常に実現可能である.なぜならば5つの連続した数28,29,30,31,32がいったん生じてしまえば,5の倍数を加えることで32より大きな数はすべて表すことができるからである.さらに,・・・

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【1】一意実現可能性

 27よりも小さい14の数

  0,5,8,10,13,15,16,18,20,21,23,24,25,26

に対しては一意実現可能.

 27よりも大きければ常に実現可能であるが,40より小さい数に対してもは一意実現可能であるが,5x+8y=40に対しては2つの解(8,0),(0.5)がある.

 40より大きい一意実現可能な数も14個ある.

  41,42,43,44,46,47,49,51.52,54,57,59,62,67

 5つの連続した数68,69,70,71,72はどれも一意実現不可能で,いったん生じてしまえば,これより大きな数はすべて一意実現不可能でない.

 14の数に対しては実現不可能(n)

  1,2,3,4,6,7,9.11.12,14,17,19,22,27,

14の数に対しては実現可能(n+40)

  41,42,43,44,46,47,49,51.52,54,57,59,62,67

で,そこには対称性と周期性をみつけることができる.

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【2】おまけ

 1から9までの数字を3×3マスにあてはめる3次魔方陣は回転や鏡映をのぞいてただ1種類である.1から16までの数字を4×4マスにあてはめる4次魔方陣は回転や鏡映をのぞいて880種類ある.1から25までの数字を5×5マスにあてはめる5次魔方陣は回転や鏡映をのぞいて275305224種類あることがわかっている.急速に複雑さが増していくのである.

 n×n正方行列で各行各列の和が同じになるものを半魔方陣Hn,主対角線の和も同じになるものを魔方陣Mnと呼ぶと,それぞれの魔方陣の数も母関数の定数項と関連している.魔方陣の数を数え上げる問題の研究は20世紀になってからようやく始まったものである.→コラム「定数項予想入門」参照

  [参]ベック,ロビンズ「離散体積計算による組合せ数学入門」シュプリンガー・ジャパン

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