■4次元正多胞体の包含関係(その8)

 正方格子点でなくひとつの超立方体の頂点をうまくとって正単体を作ることは,たぶんn=3以外には不可能と思っていたが,n=7の場合も可能であることがわかってびっくり.また,単純素朴な疑問として,n=5の場合はなぜ不可能かがわからない.

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【1】勘違い

 αnを最も簡単に作るには,全体を1次元あげてn+1次元空間内の単位点n+1個から生成をされる単体をとることである.n=5の場合,α5の頂点の座標を

  (1,0,0,0,0,0)

  (0,1,0,0,0,0)

  (0,0,1,0,0,0)

  (0,0,0,1,0,0)

  (0,0,0,0,1,0)

  (0,0,0,0,0,1)

としよう.これらの頂点間距離は√2である.

 この6個の頂点は√2の等距離にあって正単体をなし,α5の中心座標は

  (1/6,1/6,1/6,1/6,1/6,1/6)

で,外接球の半径は

  {(1−1/6)^2+5(1/6)^2}^1/2=(5/6)^1/2

というわけである.

 便宜上+1,−1はわかりにくいので1,0で表し,中心を(1/2,1/2,1/2,1/2,1/2,1/2,1/2,1/2)とすると,γ5[16α5]については,

 (100000)→(1,−1,−1,−1,−1,−1)

 (010000)→(−1,1,−1,−1,−1,−1)

 (001000)→(−1,−1,1,−1,−1,−1)

 (000100)→(−1,−1,−1,1,−1,−1)

 (000010)→(−1,−1,−1,−1,1,−1)

 (000001)→(−1,−1,−1,−1,−1,1)

となるからである.(その7)の考察にはどこか勘違いがあると思われる.

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【2】勘違いの元

 「n次元超立方体の頂点をうまく結んでn正単体を作ることはできるか」という問題を考えるとき,

[1]全体を1次元あげて,n+1正軸体のn次元胞をとるのが最も簡単である.→つねに可能

[2]したがって,「n+1次元超立方体の頂点をうまく結んで正軸体を作ることはできるか」と同等の問題である.→yes

[3]n+1次のアダマール行列の存在・非存在と同等の問題である.→yes

[4]n+1=4mであることが必要条件となる.→yes

 (その7)の考察では当たり前のこと[1]を示しただけである.γ7[16α7]の場合,8次のアダマール行列が存在したからよかったものの,γ5[16α5]については,6次のアダマール行列の非存在=NGであったというわけである.

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