■素数定理とベルトラン・チェビシェフの定理(その3)

 たとえば,100万個の整数の中に素数が1個も存在しない式は

  (10^6+1)!+n   (n=2〜1000001)

であり,これらはすべて合成数になる.n番目の素数をpnとすると

  p1p2・・・pn+2とp1p2・・・pn+pn-1−1

の間にある数もすべて合成数である.

 一方,n<p≦2nの間には常に1個の素数があるという1845年のベルトラン仮説を1850年,チェビシェフが証明した.

 今回のコラムではこれを使って,

  [2^b],[2^2^b],[2^2^2^b],・・・

がすべて素数となる定数b〜1.25が存在するという証明を紹介したい.

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【1】証明(素数を表す公式)

 p1=2とし,pnを2^Pn-1より大きい最も小さい素数する.このとき,ベルトラン仮説より

  2^Pn-1<pn≦2^Pn-1+1

である.

  b=loglog・・・(pn)=log^n(pn)

とすればよい.n→∞のとき,b→1.2516475977905・・・であって,

  p1=2,p2=5,p3=37,p4=2^37+9

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