■平行体の体積とグラミアン(その67)

 非線形波動方程式

  □u = f(u,u',u")

  f(0,0,0)=0 C^∞

とする.

 空間次元 n = 1,2,3のとき,ある T<∞が存在し,t=Tでu(t,x)は爆発する.空間次元n>=4のとき,非線形波動方程式はt<∞で爆発しない.

 しかし,オイラー・ポアンカレの公式は,奇数次元では2,偶数次元では0になり,次元が異なると命題が成立しない,という問題はない.今回のコラムでは,いくつかの単純素朴な疑問を片づけておきたい.

===================================

[1]ひとつの対角線を含む切断面の座標をとって

  x1+x2=0

上に含まれる頂点数を求めてみることにすると

  (1,−1,*,・・・*),(−1,1,*,・・・*)

の2・2^(n-2)個あるから,切半体の頂点数は

  (2^n−2・2^(n-2))/2+2^(n-1)=2^n−2^(n-2)=3・2^(n-2)

としたが,上面・下面の対角線(n−2次超直方体)も含まれるのではないだろうかという疑問が湧く.

 しかし,それでは

  (2^n−4・2^(n-2))/2+2^(n-1)=2^(n-1)<3・2^(n-2)

となってNG.

===================================

[2]n−1次元超立方体をその空間に垂直に動かすとn次元超立方体ができる.そのとき,漸化式

  N(n,k)=2N(n-1,k)+N(n-1,k-1),N(n,0)=2^n

が成立する.

  f(n,k)=(N(n,k)−2N(n-2,k))/2+N(n-1,k)

であるが,

  f(n,k)=2f(n-1,k)+f(n-1,k-1),f(n,0)=3・2^(n-2)

は成立するだろうか? これは三角柱をその空間に垂直に動かすと三角柱柱ができることに対応している.

 二項係数(n,r)において,r<0のときは0と約束すると,

  f(2,0)=3

  f(2,1)=3

  f(3,0)=2f(2,0)+f(2,-1)=6

  f(3,1)=2f(2,1)+f(2,0)=9

  f(3,2)=2f(2,2)+f(2,1)=5

  f(4,0)=2f(3,0)+f(3,-1)=12

  f(4,1)=2f(3,1)+f(3,0)=24

  f(4,2)=2f(3,2)+f(3,1)=19*

  f(4,3)=2f(3,3)+f(3,2)=7*

  f(5,0)=2f(4,0)+f(4,-1)=24

  f(5,1)=2f(4,1)+f(4,0)=60

  f(5,2)=2f(4,2)+f(4,1)=62*

  f(5,3)=2f(4,3)+f(4,2)=33*

  f(5,4)=2f(4,4)+f(4,3)=9*

  f(6,0)=2f(5,0)+f(5,-1)=48

  f(6,1)=2f(5,1)+f(5,0)=144

  f(6,2)=2f(5,2)+f(5,1)=184*

  f(6,3)=2f(5,3)+f(5,2)=128*

  f(6,4)=2f(5,4)+f(5,3)=51*

  f(6,5)=2f(5,5)+f(5,4)=11*

  f(n,k)=(N(n,k)−2N(n-2,k))/2+N(n-1,k)

は三角柱柱ではない.

  f(n,k)=2f(n-1,k)+f(n-1,k-1),f(n,0)=3・2^(n-2)

はオイラー・ポアンカレの公式を満たしている.

===================================